消化器内科・消化器外科・腫瘍内科・緩和ケア内科・内科・外科・肛門外科・放射線科:北海道消化器科病院

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各科紹介

外科・肛門科

外科・肛門科紹介

当科では消化器疾患全般に対する外科治療を広く行っており、食道から胃・小腸・大腸・肛門にいたる消化管疾患のほかに、肝・胆・膵疾患の手術も数多く行っています。その多くが悪性疾患でもあり、術前・術後のほか外来における化学療法にも積極的に取り組んでいます。

手術全般においては特に内視鏡下外科手術(腹腔鏡下手術・胸腔鏡下手術)に積極的に取り組んでおり、全身麻酔下手術年間約600例(2012年実績)のうちの約7割を内視鏡下手術が占めていました。内訳は胆嚢摘出・大腸切除・胃切除・食道切除・虫垂切除・肝切除・膵切除・腸閉塞手術など多岐にわたっています。特に腹腔鏡下胆嚢摘出術は4300例、腹腔鏡下大腸切除は1000例を超え(2012年12月現在)、道内では最多の症例数を誇り、全国的にも有数の症例数を数える施設となっています。また腹腔鏡下胃切除も350例を超え、局所切除・幽門保存胃切除などの縮小手術から胃全摘まで、種々の術式に対応しています。

胃切除に関しては機能温存を目的に噴門側胃切除や幽門保存胃切除などの縮小手術を積極的に取り入れています。また再建に関しては胃全摘となる場合や残胃が小さくなる場合には、機能再建を目的に小腸を用いたパウチ(代用胃)再建を行っており、これにより食事摂取量の増加やダンピング症状の軽減に役立っています。さらにこれらの手術を腹腔鏡下に行うことで、さらなる侵襲の軽減を図っています。

大腸癌の手術では全症例の8割に腹腔鏡下手術が施行されており、早期癌にとどまらず、進行癌においても積極的に腹腔鏡下手術を施行しています。下部直腸癌に対しては肛門温存手術に積極的に取り組み、超低位前方切除・経肛門的吻合やISR(内肛門括約筋切除)なども取り入れ、多くの患者さんで肛門温存が可能となっています。

肛門疾患では痔核・痔ろう・裂肛・直腸脱などに対する手術治療のほかに、内痔核に対する四段階注射(ALTA硬化療法)も取り入れ、各種の病状に合わせた治療が可能となっています。特にALTA硬化療法は痛みを伴うことがほとんどなく、当科では内痔核のみを有する患者さんに対する治療の主体をなしています。また1~2泊の入院での施行が可能となり、これまでの切除による根治手術に比べるとより短期間での治療が可能となりました。

肝・胆・膵の悪性疾患に対する外科手術も数多く行われており、日本肝胆膵外科学会の高度技能専門医修練施設にも認定されています。特に膵癌の治療は内科・外科ともに数多く行われており、外科においては術後の補助化学療法を取り入れた積極的切除(血管合併切除を伴う膵頭十二指腸切除など)を行うことで生存率の改善が見られつつあります。胆道癌では病変部位が肝臓に近いか膵臓に近いかで術式が変わってきますが、広範囲に進展する病変に対しては肝・膵同時切除を行うことで切除が可能となっています。一方で肝臓や膵臓の病変に対しての腹腔鏡下手術にも積極的に取り組んでおり、可能であればより体に優しい手術を心がけています。

肝胆膵外科手術

肝臓や胆道、膵臓の手術は消化器外科のなかでもより高度な技量を要する領域であります。当院は日本肝胆膵外科学会に認定された高度技能の修練施設であり、北海道内で大学病院以外に認定されているのは当施設を含め4施設しかありません。当科は高度技能指導医が2名在籍し、すべての肝胆膵手術に参加することで手術の質を担保しております。また当科のスタッフは全員が北海道大学消化器外科学IIで肝胆膵外科の研修を受けており、手術の適応決定から術前・術後管理まで精通しております。

手術実績
2010年2011年2012年2013年2014年2015年2016年
亜区域未満の肝切除4(1)12(1)7(2)8(4)10(3)7(2)10(5)
亜区域以上の肝切除10(1)1114(1)139(2)12(0)10(2)
胆管切除を伴う肝切除2214233
膵頭十二指腸切除2133(2)2424(3)22(3)12(0)26(0)
尾側膵切除10(2)4(2)8(4)810(6)6(2)5(2)
膵全摘0110222
腹腔鏡下胆嚢摘出術230242236224234231190
開腹胆嚢摘出術5152043
腹腔鏡下胆管切開・切石術5658693
                              (うち腹腔鏡手術)

腹腔鏡下胃癌手術

当院では胃癌の手術の侵襲軽減のため積極的に腹腔鏡を取り入れており、現在では約半数の症例に腹腔鏡下手術が行われています。当院は日本内視鏡外科学会に認定された技術認定医が3人在籍し、すべての手術に関与するようにしております。また機能再建にも力を入れており胃全摘の際は原則として小腸を用いたパウチ(代用胃)による再建を行っています(図)。これにより食事摂取量の増加やダンピング症状の軽減に役立っています。


          図:胃全摘時のパウチによる再建。

手術実績
2010年2011年2012年2013年2014年2015年2016年
腹腔鏡下胃全摘2761612125
腹腔鏡下幽門側胃切除24302738241919
腹腔鏡下噴門側胃切除8101432
腹腔鏡下幽門温存胃切除3101201
開腹胃全摘108179969
開腹幽門側胃切除98154887
胃空腸吻合8637845
試験開腹0135026
合計(うち腹腔鏡手術)64(37)62(38)71(33)81(62)67(45)54(39)54(37)

腹腔鏡下ISR(内肛門括約筋切除)

これまで肛門近くに存在する直腸癌は、肛門を残すことができずに永久的な人工肛門となっていました。最近になり内肛門括約筋を腫瘍と一緒に切除し腫瘍からの距離をとることで、かなり低位の直腸癌でも肛門を残すことが可能となる術式が開発されました。当科でもこの術式を2005年から取り入れ現在までに 35例施行しています。またこの手術を腹腔鏡で行うことにより、その拡大視効果を利用してより精緻な手術が可能となっています。もちろん癌の進行度などとの兼ね合いからすべての症例に適応できるわけではありませんが、一度ご相談ください。
         
           図:直腸から肛門の断面図
内外括約筋の間に入ることにより、肛門すぐ近くまでの切除が可能になります。

四段階注射による硬化療法

四段階注射による硬化療法は、ジオン注(成分:硫酸アルミニウムカリウム、タンニン酸)を用いる新しい痔核注射法で平成16年7月に承認されました。脱出後、指などで押し戻さないとならない(第3度)や常に脱出している(第4度)の治療に使用されます。治療法は1つの痔核に対して4つに分けて注射を行う非常に高度な手技が必要で、この治療を行うには専門の講習を受け、認定をされた医師でなければならなく全道でも限られた施設のみとなっています。手術を行うよりも負担が少なく、短い入院期間で退院できます。

医師紹介

森田 高行 ●学会認定資格
 ・日本外科学会専門医・指導医
 ・日本消化器外科学会専門医・指導医
 ・日本消化器病学会専門医
 ・日本内視鏡外科学会(大腸)技術認定医・評議員
 ・日本肝胆膵外科学会高度技能指導医・評議員
 ・日本がん治療認定医機構がん治療認定医
 ・日本臨床外科学会北海道支部評議員
 ・北海道外科学会評議員
 ・日本食道学会食道科認定医
院 長
もりた たかゆき
森田 高行
藤田 美芳 ●経歴
 ・北海道大学病院
 ・国立病院機構函館病院
 ・医療法人社団新日鉄室蘭総合病院  他
●学会認定資格
 ・日本外科学会専門医・指導医
 ・日本消化器外科学会専門医・指導医・消化器
  癌外科治療認定医
 ・日本がん治療認定医機構がん治療認定医
 ・日本内視鏡外科学会技術認定医
 ・北海道外科学会評議員
副院長
ふじた みよし
藤田 美芳
田本 英司 ●経歴
 ・北海道大学大学院医科研究科
 ・八雲総合病院
 ・函館中央病院
 ・手稲渓仁会病院  他
●学会認定資格
 ・日本外科学会専門医
 ・日本消化器外科学会専門医・指導医・
       消化器がん外科治療認定医
 ・日本胆道学会指導医
部 長
たもと えいじ
田本 英司
福島 正之 ●学会認定資格
 ・日本内視鏡外科学会技術認定医
 ・日本大腸肛門病学会専門医
 ・日本外科学会専門医・指導医
 ・日本消化器外科学会専門医・指導医・
       消化器がん外科治療認定医
 ・日本がん治療認定医機構がん治療認定医
 ・内痔核治療法研究会四段階注射法講習会受講証
部 長
ふくしま まさゆき
福島 正之
桑谷 俊彦 ●経歴
 ・北海道大学病院
 ・市立旭川病院
 ・名寄市立総合病院
医 長
くわたに としひこ
桑谷 俊彦
上野 峰●経歴
 ・函館中央病院
 ・伊達赤十字病院
 ・北海道大学病院
●学会認定資格
 ・日本外科学会専門医
 ・内痔核治療法研究会四段階注射法講習会受講証
医 員
うえの たかし
上野 峰
蔦保 暁生●経歴
 ・北海道大学病院
 ・帯広厚生病院
 ・名寄市立病院
医 員
つたほ あきお
蔦保 暁生

非常勤勤務
田中 栄一 ●経歴
 ・北海道大学病院診療准教授
●学会認定資格
 ・日本外科学会専門医・指導医
 ・日本消化器外科学会専門医・指導医
 ・日本肝胆膵外科学会高度技能指導医・評議員
 ・日本胆道学会指導医
 ・日本がん治療認定医機構がん治療認定医
                ・暫定教育医
 ・北海道外科学会評議員
 ・日本臨床外科学会北海道支部評議員
たなか えいいち
田中 栄一